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録音にも愉しさを:デザインの秀逸な録音アプリ「Tapes」。
iPhone用録音アプリは様々なものがリリースされているけれど、ようやく「これは」と思うものに巡り会った。
「Tapes」。機能的には必要十分な感じだけれど、何より使っていて愉しい録音アプリ。
是非、さりげなく&カッコ良く、使いこなしてみて欲しい。
懐かしさ溢れるインターフェイス
UIデザインは、「Tapes」というアプリ名の通り「カセットテープ」をメタファにしている。
録音/再生は、ステレオスピーカーと操作ボタンの配された、まさにカセットデッキのような画面で行い、録音した音声はカセットテープ一本一本に分けて管理される。
録音は「REC」ボタンを押すと開始。
録音中は、しっかりテープも回る。音声レベルはボリュームインジケーターで確認できる。
「STOP」を押して録音停止。
で、録音した音声を再生するには?
そうです。カセットテープなので当然巻き戻さないと聞けないんですね。
「REW」を押して巻き戻しをして、「PLAY」を押すと録音した内容が再生される。(ちなみに巻き戻しは、一瞬です。)
この、「録音(REC)>巻き戻し(REW)>再生(PLAY)」の、「巻き戻し(REW)」という操作ひと手間を愉しめるかどうかが、この録音アプリを気に入るかどうかの分かれ目かな、と思う。
テープのラベル欄をタップすると、録音内容の名称を編集できる。
録音は、一録音につきテープ一本で管理されるので、新しい録音をするためには「EJECT」ボタンを押してカセット排出。カセットテープが、(ガション)という音と共にアニメーションで排出される。
インターフェイス自体が「カセットテープ」してます。
テープ管理画面。
新しい録音を開始するには、一番上の「New Tape」をタップ。新しいカセットテープがデッキにセットされる。
録音済みのテープを削除するには、テープ上を右にフリック。
数が増えてきたら、右上の「Edit」から、まとめて削除することもできる。
画面下部に表示されているIPでFTP接続して、Mac/PCから録音データを取り出すことも可能。
高機能よりも、使う愉しさ
高機能な録音アプリは、他を探せば色々あるのだけれど、このアプリの「操作する愉しさ」には、また全く別の良さがある。
そこそこの年代の方なら、誰しも記憶に刻まれたカセットテープの思い出があるのではないだろうか。
CDプレーヤーもMDプレーヤーも、もちろんiPodなんて影も形も無かった頃、通学や通勤で聞くために120分テープにお気に入りの曲を自分なりのこだわりの順番で録音したこと。片面60分になかなかピッタリ収まらず、1曲ごとの時間を計算してうまく収まるように何度も録音を繰り返したこと。お気に入りの一本が完成して、友達と交換しあったりしたこと。カセットテープをデッキに入れて(ガション)、再生し(ガション)、巻き戻して同じ曲を何度も聴いたり(ガションガション)、早送りして今聴きたい曲をタイムゲージとにらめっこしながら探したり(ガションガションガション)。
このアプリには、そんな懐かしいあの頃の記憶を呼び覚ます「優しさ」が溢れていると思う。
高機能のアプリでスマートに録音をこなすのも素敵だけれど、昔懐かしいインターフェイスに載せて、昔懐かしい操作で、日々の記録をテープに積み重ねていくのも素敵じゃないかと思うんだ。
是非、試してみてください。
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